「ネコ皮下脂肪由来の間葉系幹細胞(fMSC)」を用いた細胞治療サービスを開始しました。

2020.09.11

動物再生医療技術研究組合(PARM)は、飼育動物(イヌ・ネコ)において、培養、搬送、投与及び経過観察という細胞治療サービスの一連のプロセスを試験研究し、これらについての自主的な基準を確立していくことで、適切に細胞治療サービスを普及させ、実用化させることを目的とし、2019年12月に農林水産大臣、経済産業大臣の認可を受けて設立されました。

これまで、組合員である「アニコム先進医療研究所株式会社」の有する品質管理システム下で培養したイヌ皮下脂肪由来の間葉系幹細胞 (cMSC)を用いて検討を進めて参りましたが、この度、「ネコの皮下脂肪由来の間葉系幹細胞(fMSC)」につきましても、同様の臨床研究を軸とした細胞治療サービスを開始することになりました。

PARMにおいては、ネコに特徴的な疾患の中で、細胞治療の有効性が示唆される12の疾患(※1)を対象として臨床研究を開始します。イヌの14疾患と併せて臨床研究を行うことで、細胞治療の有効性や作用機序についてより多くの結果が得られ、適切な細胞治療の普及にとって貴重なエビデンスになると考えられます。

また、ネコは、近年、飼育頭数がイヌを上回っていることからも、飼い主様にとって非常に重要な伴侶動物となりつつありますが、イヌに比べると治療環境がまだまだ十分とは言えないのが現状です。PARMは、イヌだけなくネコも含めて適切な細胞治療の普及に貢献してまいります。

※1:慢性腎臓病、慢性腸症、ネコ伝染性腹膜炎、膵炎、胆管肝炎、慢性口内炎、膵炎続発性糖尿病、免疫介在性溶血性貧血(IMHA)、喘息、非感染性髄膜脳脊髄脳炎、変形性関節症、免疫介在性関節炎