臨床研究における「対象疾患拡大(イヌ4疾患、ネコ3疾患)」について

2022.04.01

動物再生医療技術研究組合(PARM)では、これまでイヌの14疾患、ネコの12疾患について臨床研究を行ってまいりましたが、この度、新たにイヌの4疾患、ネコの3疾患を臨床研究の対象疾患に追加いたしました。

【イヌ】
慢性腎臓病、急性腎障害、外傷性脊髄損傷、天疱瘡(尋常性・落葉状)
【ネコ】
急性腎障害、外傷性脊髄損傷、天疱瘡(尋常性・落葉状)

既存の研究対象疾患(※1)と併せ臨床研究を行うことで、細胞治療の有効性や安全性についてさらに多くの結果が得られ、適切な細胞治療の普及の実現に向け、貴重なエビデンスになると考えられます。
高齢のネコの5頭に1頭(※2)が慢性腎臓病、急性腎障害と推定されており、きわめて多くのネコが罹患しています。
また、外傷性脊髄損傷では四肢の麻痺などを引き起こし、伴侶動物のQOLは著しく低下します。
さらに、天疱瘡では長期の薬剤治療による副作用が問題となる場合や、予後が芳しくない病態も存在し、これらの疾患に対する新たな治療手段の開発・普及が待たれています。
PARMでは、今後もイヌおよびネコの研究対象疾患に対する臨床研究を継続し、研究成果の蓄積・解析を通じて、適切な細胞治療の普及に貢献してまいります。

※1:【イヌ】慢性腸症(CE)、肝炎、膵炎、免疫介在性溶血性貧血(IMHA)、免疫介在性血小板減少症(IMTP)、非再生性免疫介在性貧血(NRIMA)、赤芽球癆(PRCA)、再生不良性貧血(AA)、糖尿病、椎間板ヘルニア、非感染性髄膜脳脊髄炎、関節炎(変形性関節症・免疫介在性多発性関節炎)アトピー性皮膚炎、乾性角結膜炎
【ネコ】慢性腎臓病、慢性腸症、ネコ伝染性腹膜炎、膵炎、胆管肝炎、慢性口内炎、膵炎続発性糖尿病、免疫介在性溶血性貧血(IMHA)、喘息、非感染性髄膜脳脊髄脳炎、変形性関節症、免疫介在性関節炎
※2:アニコム損害保険株式会社「家庭どうぶつ白書2014」より